業務効率化の対象を補助業務から定める
コンプライアンス業務では、AIを文書・記録の要約、論点・確認事項の抽出、問合せ分類、規程や台帳の整理に使えます。効率化の対象を先に定め、法令解釈、契約締結・変更、規程改定、通報の受理・調査・措置、懲戒・人事、当局への報告、個人データの利用・提供は対象外として明確にします。
消費者庁は公益通報者保護制度について、公益通報対応業務従事者の定めと内部公益通報対応体制の整備等に関する指針を案内しています。通報に関連する文書整理にAIを使っても、通報者対応、調査方針、事実認定、是正・懲戒・報告は人が最終判断します。
業務ごとに補助範囲と最終判断を分ける
| 業務 | AIが補助できること | 人が最終判断すること |
|---|---|---|
| 規程・台帳 | 要約、差分、確認事項、分類 | 規程改定、権限、法令適合性 |
| 契約・法務文書 | 論点、条項候補、記録整理 | 法令解釈、契約締結・変更 |
| 内部通報 | 受付記録、文書分類、進捗候補 | 受理、調査、通報者対応、措置 |
| 個人情報 | 項目・権限・保存の棚卸し | 利用目的、委託、提供、削除、漏えい対応 |
| 事故・不正 | 記録、影響項目、連絡候補 | 事実認定、停止、報告、是正 |
法令解釈・契約・通報を効率化の対象外にする
AIが条項候補や確認事項を示しても、法令解釈、契約締結・変更、規程改定を自動確定しません。通報についても、受理、調査、通報者対応、事実認定、是正・懲戒・当局報告をAIに委ねず、法務、コンプライアンス、内部通報、経営の担当責任者が最終判断します。
個人情報保護委員会は生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公開しています。生成AIを利用する場合は、入力する情報、利用目的、権限、保存、委託、再委託、提供、削除、漏えい時の対応を確認します。
通報情報・外部委託・停止を日常運用に組み込む
通報者、相談者、従業員、取引先、調査対象者に関する情報を扱う場合は、利用目的、必要性、権限、保存、委託、再委託、提供、削除、漏えい時の対応を確認します。外部AI、クラウド、文書管理・内部通報・調査支援サービスを利用する場合も、情報を渡す範囲と委託先の役割を定めます。
誤出力、情報漏えい、不正・通報案件、法令・契約上の問題が起きた場合はAIの利用を止め、既存の法務、コンプライアンス、内部通報、個人情報、事故対応の手順へ戻ります。法令解釈、契約、通報の受理・調査・措置、当局報告、個人データの最終判断は人が行います。
よくある質問(FAQ)
Q1. Q1. コンプライアンス業務で整理しやすい業務は何ですか?
文書・記録の要約、論点・確認事項の抽出、問合せ分類、規程や台帳の整理です。
Q2. Q2. AIが契約や法令の最終結論を出せますか?
出せません。法令解釈、契約締結・変更、規程改定、個別案件への適用は担当責任者が最終判断します。
Q3. Q3. 通報案件でAIを使う場合の注意点は何ですか?
記録整理に限定し、受理、調査、通報者対応、事実認定、措置、報告をAIに委ねません。